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「プロ」の養成が、なぜ重要か 菅波:ボランティアの体験が多くの人に繰り返されていき、ボランティアは当たり前だという日常行為が、社会に生かされいく。 そのような状況を生み出していくために、やはりボランティアをする場所や最初にいろいろ世話してあげる受け皿、あるいはボランティアを行うための団体であるNPOの組織運営をする「プロ」が必要なのだと思います。しかし、そういう人がいない。だから、育成しなければならない。ここが日本では今、全然できていないんです。この整備を早急にしていかなければいけない。 そこで、まず、こういう人達を育成するための大学がいる、と痛感しています。 悲劇ですらあるのは、ボランティアはタダである、奇特な人がするんだという考えがいまだにあることです。何でそうかというと、ボランティアをする人、あるいはボランティアの団体でNGOやNPOを運営するのはプロなんだ、という認識が一般にないからです。プロだったら誰でも給料を払うのは当たり前だということになる。 けれどプロだと認められていないため、ボランティアはイコール、アマチュアとなってしまう。でも、プロのボランティアがいてもいいわけなんです。プロのボランティアという概念がなぜないかといえば、やはり4年制の大学がないからではないでしょうか。だから、暇な人、何か特別な心を持っている人が本職のほかにやる余技だと、考えられてしまっている。 だから、必要なのはプロのボランティア、あるいはNGO、NPOを運営する、組織運営のプロ。そしてそれを養成する大学が絶対必要だということです。 AMDA国際大学を提唱する 菅波:そこで私たちAMDAは、AMDA国際大学というものを提唱しています。そこでNGO、NPOの組織運営のプロ、あるいはプロジェクトを運営するコーディネーター、そういう人達を養成する時代が来たんじゃないかと。 これは別に専門学校でもいいし、政府の各省が設けている大学校でもいいんですが、やはり将来的には大学院もいるだろうし、研究所が必要になるかもしれない。でも、そう考えるとやはり文部省認定の4年制の大学が一番いい。できたら地元岡山につくりたいと思っています。 でも実は戦略的にすでにやっているのが、広島県の方なんです。広島県は国際貢献プログラムというのをつくっています。その中で東広島市に国際協力センターというのを来年の4月につくります。ボランティアをそこで積極的に養成したいというので、私たちAMDAはそれへの民間サイドからの参加として、NGOカレッジ講座を4月に開講します。プロフェッショナルなボランティアはどうあるべきか、からやっていこうということです。 そういう意味では広島県が今一番進んでいる。私たちも岡山におりますから、できるだけ岡山でもそういうことをやったらいいんじゃないかなと考えていますが。 ボランティア活動する側にこそ、「尊厳の回復」が 菅波: しかし、そこに新たな大きい問題が持ち上がってきた。ボランティアに対する考え方として、「ボランティア効率論」が出てきていることです。 日本社会は少子、高齢化社会や、過疎などいろんな問題に直面している。その足らざる戦力をボランティアで補おうというのが、それです。これは逆にいったら非常に危険なことなんです。 というのは、ボランティアというのはただ社会的「効率」、だけかということですね。でもそうではないでしょう。なぜなら、人間がこの世に生を受けて、いきいきと生きるための1つの場として、やはりボランティアを考えるという面が、そこにあるはずだからです。 どうして今日本に「人間の尊厳の回復」ということが必要かといえば、たとえばいじめの問題にしても、自分は必要とされていないからといって自殺していく子が多いわけです。サラリーマンの方でも、同じ理由で自殺をする人が増えています。 人間の尊厳の中で一番大切なのは、自分は社会から必要とされているんだという実感なんです。しかし、今の企業の効率至上主義においては、「必要とされている」という実感が100%得れるかどうか……。これが、大きな問題として浮かび上がっている。でも一方組織の人間として実感がみたされなくとも、やっていかざるを得ないのも事実です。 そこで、自分は必要とされているんだという場であり、人間関係をつくってあげるのが一番大切なのではないでしょうか。そのためにもボランティアというのは非常に大きな意義があるわけです。 ボランティアというのは必ずしも世の中の問題で人手が足りないから、ただ力になるというだけではない。その人にとってみても人間の存在そのものを回復する機会でもあるはずです。そういう二面性がボランティアにあるんです。日本がもっとこれからいい国になろうと思うとき、みんなが自分が必要とされているんだというプライドが持てる国になっていくのが一番いい。そのためにこそボランティア活動が必要なのではないでしょうか。 |